グリーンポケット工法はモルタル・コンクリート吹付工、のり枠などの「構造物による保護工」に「植栽工」を併用したのり面緑化工法です。
のり面の要所要所に基盤をプランター状に設置して低木やツル植物の植栽により緑化を図ります。
グリーンポケット工法は、のり面保護工によって安定したのり面に、周辺環境との調和および景観の向上を目的とし、以下のような場合に適用します。
1.修景美化
無機質な吹付面などの灰色なのり面に、ツル植物や花木を導入することで「うるおい」や「やすらぎ」や季節感のある景観に改善することができます。
2.反射光抑制
灰白色の吹付面は、夏季の晴天時には眩しさや高温の照り返しが著しく、不快感を与えます。また、海辺では乱反射により魚が寄りつかないなどの報告もあります。
のり面や壁面を緑化することで、歩行者やドライバーの快適性および安全性を確保するとともに、生態系の保全、生活環境の改善などの効果があります。
3.排水効果
客土袋の土砂吸出し防止効果により、湧水時には余剰水を効率よく排出するとともに、植物の生育によって強制的に湧水を蒸散させる効果も期待できます。
4.高温化・風化抑制
夏季におけるのり面・壁面の表面温度は60°以上になります。のり面・壁面を緑被することで、表面温度の上昇抑制や熱の照り返しを防ぐことができます。また、表面温度の高温化抑制効果により吹付面および地山の風化抑制効果も期待できます。
5.モルタル・コンクリート面の劣化防止効果
我が国でも通常観測されるようになった酸性雨が、本来アルカリ性であるモルタル・コンクリートのり面に直接当ることによって、その表面の劣化が早まる傾向にあります。
ツル植物などで一面を緑被することで、酸性雨が直接当ることが少なくなり、結果として劣化防止効果が期待できます。
6.環境保全効果
植栽植物の呼吸・蒸散作用による大気浄化、ヒートアイランド抑制効果などが期待できます。